今回のウイスキーは?
「サントリーオールド」
「オールド」も多分初めてではないけど、オールドとして認識して飲むのは初めて。
ウイスキー量り売りのお店が近くに欲しい今日この頃。
角よりちょっと高めです。
目次
1950年生まれ
私が生まれる前からある「オールド」
さすがオールドと言われるだけあり、1950年発売開始。
そして瓶が渋い。
お酒を知らなくても子供心に見覚えのある瓶です。
時代を感じます。
気になるお味の方は?
これはビックリ!
長く売れているのには「訳」がある訳。
ギャグじゃないです…2回目。
リザーブとは真逆。
バーボンのような甘さが口の中に広がります。
「美味い」
オールドという名前で勝手に違う味を想像していました。(笑)
角の穂のかな甘さとは違いガッツリ!
値段も1,000円台。
バーボン好きにおすすめです。
おススメの飲み方は、自分好みの飲み方で!
自分の好きな飲み方でお酒を楽しみましょう!!
ソーダ割 おススメ度 ☆☆☆☆☆(5段階)
このウイスキーにおススメ炭酸水
サントリーオールド オールドの歩み
「やってみなはれ。やらなわかりまへんで」
1923(大正12)年、周囲の反対を押し切って、湿霧名水の地・京都郊外の山崎にわが国初のウイスキー蒸溜所の建設に着手して以来、「日本人の味覚に合った日本独自のウイスキーをつくりたい」という創業者・鳥井信治郎の悲願のもと、サントリーの歩みは、そのまま国産ウイスキーの歩みでした。
スコッチの亜流を脱した国産ウイスキーの最高峰「サントリーオールド」が完成したのは、1940(昭和15)年11月。
しかし、日米開戦の風雲急を告げる中、ひたすら熟成の時を重ねつつ、本社が空襲で全焼した後も奇跡的に戦禍を免れた山崎の地で終戦を迎えます。
発売は1950(昭和25)年。前年に酒類の公定価格が撤廃、自由競争の時代が始まって、庶民派ウイスキーの代表「トリス」が洋酒元年の幕を開け、戦災からの復興がようやく実感できるようになった時期でした。
「もはや戦後ではない」が流行語となった1956(昭和31)年を過ぎたあたりから、日本人の生活は洋風化の一途をたどります。
この当時、円熟したモルトウイスキーと高品質のグレーンウイスキーだけでつくられる、“原酒100%のウイスキー”であるサントリーオールドは、中元歳暮の時期を除いて店頭に並ぶことがないとさえいわれる高嶺の花でした。
働く男たちの憧れの酒──1950年代から60年代にかけて、オールドは「出世してから飲む酒」の象徴だったのです。
1960(昭和35)年、池田内閣は所得倍増計画を発表。1964(昭和39)年の東京オリンピックを境に、日本は高度経済成長の波に乗ります。
オールドの需要が伸び始めるのは、経済力のひとつの証として、ウイスキー市場が次第に高級化していくのと機を一にします。
1968(昭和43)年にはGNPが米国に次いで自由主義世界第2位を記録するほど日本の国際収支は大幅な黒字を計上、円が変動相場制に移行する1971(昭和46)年の貿易自由化を目前に控えて、消費者の目と舌は、いつしか洗練の度合いを高めていました。
庶民が口にする酒の種類も、ビールやウイスキーにとどまらず、バーボン、ブランデー、ワインなど多岐にわたり、ライフスタイルの洋風化と消費者の高級志向に弾みがつきます。
一方、バーでのボトルキープの慣習が広まり、“ダルマ”“タヌキ”の愛称で呼ばれ、ここにきて大きく需要を伸ばしつつあるサントリーオールドを、これまで日本酒しか置いていなかった、寿司屋、天ぷら屋、割烹、さらには家庭にも浸透させようと、「二本箸作戦」と呼ばれる一大キャンペーンが展開されたのもこの頃です。
そのきっかけとなったのが、「十年まえは熱燗で一杯やったものですが……一日のピリオド。黒丸。」というコピーも鮮烈な1970(昭和45)年の新聞広告でした。
寿司屋の主人が店を閉めた後、割烹着のままカウンターで一息ついて一杯やる酒が日本酒ではなくサントリーオールドという図が、和魂洋才のダイナミックな提案として注目を浴びます。
この提案は見事受け入れられ、この年に100万ケースのレベルだったオールドの販売数は、驚天動地の急伸を見せ、1974(昭和49)年に500万ケースを突破すると、1978(昭和53)年ついに1000万ケースの大台に乗り、1980(昭和55)年には世界の酒類市場空前の1240万ケースに達しました。
発売から30年、オールドは頂点を極めたのです。
それは「日本のウイスキー」の代名詞として、国内外に不動の地位を占めたことを意味すると同時に、飲むことがステイタスだった“ハイ・スタンダード”が、今や万人に愛される“マイ・スタンダード”となった「その次」に、顧客の期待にいかにして応えるか──この難題に対する、永遠の挑戦が始まったことを意味していました。
価値観の多様化による個性の主張はそのまま消費の多様化を促し、洋酒市場は成熟期にさしかかります。
そうした状況を踏まえ、オールド・ブランドのリニューアルが始まりました。
CMキャラクターとして新たに芥川賞作家・村上龍を起用した、1988(昭和63)年の“深く、こく、やわらかい”「新サントリーオールド」。
俳優の長塚京三を起用、「OLD IS NEW──恋は、遠い日の花火ではない。」と、こころを揺すぶる1994(平成6)年の「サントリーウイスキーオールド〈マイルド&スムーズ〉」。
いずれも、時代がいかに移ろおうと変わらぬオールドの普遍性と、時代とともに変わっていく進化の、サントリー的ブレンドでした。
では、こうした過程を経てこの度発売される「サントリーオールド」が内包しているメッセージとは、いったい何でしょうか。
『対抗文化の思想 若者は何を創りだすか』の著者セオドア・ローザックは、近著『賢知の時代 長寿社会への大転換』の中で、60代を迎えるベビー・ブーマーを“ニュー・ピープル”と呼び、かつてカウンター・カルチャーを通過した世代が主役となる「長寿社会」に価値を見いだし、提言しています。
今回の「サントリーオールド」登場について、日本のベビー・ブーマー=「団塊世代」とともに歩んできたオールドが、彼らと一緒に来し方を振り返り、もうひと花咲かせようと決意を新たにした徴である、と捉えることもできますが、むしろこれだけ人口の多い世代が「温故知新」のスピリットを湛えつつ、一緒に歩き始めることができたなら、いつの間にか曇ってしまった日本の視界をすっきり晴らして、もう一度より佳き明日をつくることも十分可能ではないですか、というオールドからの前向きな提言であると、受け取っていただけると嬉しいのです。
そのほうが、お互い元気が出ますからね!