今回のウイスキーは?
今回は「ボウモア 12年」BOWMORE 12years!
何の記事を書こうか過去の記事を見ていたら、「ボウモア」が書いてない!
って事に気づきましたので今回は「ボウモア」
目次
アイラの女王
「ボウモア」はアイラの女王!
と呼ばれているそうで。
その響きだけで、どっちの意味の女王だ?
と思ってしまいますよね?
どっちの女王でも好きかもしれませんけど…(*^^)v
気になるお味のほうは?
「BOWMORE 12years」
燻製ぽさの中に正露丸臭もあり!
ですがそこまで主張してこない。
でもチャンとそこにいる感じ。
アイラの女王と言われる理由も分かります。
私の中では優しい女王(母)みたいな感じ!!笑
でした。
ストレート、ロックも美味しいです。
そしてソーダ割にもよく合います!
ソーダ割 おススメ度 ☆☆☆☆(5段階)
ボウモア 12年
世界でも稀なウイスキー島
ボウモア蒸溜所のあるアイラ島は、スコットランドの西岸沖に北から南に島々が点在する、インナーへブリディーズ諸島の最南端に位置する。手つかずの美しい自然と野生動物の宝庫で、“へブリディーズの女王”と呼ばれる。1779年創業、島で最古の歴史を誇るボウモア蒸溜所は女王の島の中心部にあたる。
島の大きさは淡路島よりわずかに大きいが、人口は3,500人にも満たない。この島にボウモア蒸溜所を含めて8つものモルトウイスキー蒸溜所とひとつの製麦工場があり、世界でも極めて稀なウイスキー島であり、“ウイスキーの聖地”とさえ言われてもいる。
ウイスキー職人たちは、「ウイスキーづくりは、はるか昔、アイルランドからこの島にもたらされた」と言う。海を南下すればアイルランド。ケルトの歴史が色濃く残る島でもある。
ピート原野に吹く潮風
島の蒸溜所から生まれるウイスキー、アイラモルトの香味特性は、スモーキーで潮の香り、という表現で語られる。
シングルモルトウイスキー「ボウモア」は、アイラモルトの中でその香味特性をトータルに合わせ持つ、海のシングルモルトとして知られている。
ボウモア蒸溜所では、いまだに蒸溜所内でフロアモルティングをおこない麦芽をつくり、発芽を止める乾燥工程にピートを焚いている。
アイラ島はピート原野が島の面積の多くを占める。ピートとはヘザー(ヒース)をはじめとした植物の遺骸土、つまり腐植土であり、泥炭あるいは草炭といわれるものだ。100年でわずか数センチしか堆積しないともいわれている。
ボウモア蒸溜所は独自のピートボグ(採掘場)を持つ。スコットランド本土のピートとボウモアのピートが大きく異なる点は、海藻類や貝殻など、強い海風が運んできた海産物がたくさん含まれていることだ。ボウモアのピートボグに立つと、強風の日は海岸に打ち上げられた海藻や海水の飛沫が飛来してくる様子が見られる。潮の香もたっぷり含んで堆積したピートを焚くことによって、麦芽に独自の燻香が浸み込むことになる。
海のシングルモルトの由縁のひとつがここにある。
時の堆積を伝承する職人たち
ボウモアの職人たちがピート原野の地表から30センチ掘り下げれば、イエス誕生から紡いだ2000年の時を切り出すことになる。
ある職人は、「われわれは自然や歴史に対して責任を負っている」と話す。祖先が大切にしてきた神からの恩恵、すべての遺産を大切に次の世代に伝えていく使命が彼らにはある。それを怠らなければ、女神は微笑み、いいウイスキーをつくりつづけられると職人たちは信じている。
祖先から何代にもわたり堆積されつづけてきたスピリッツと技術が、「ボウモア」の麗しい一滴となっていく。
白と青の世界に時が降り積もる
蒸溜所のあるボウモア町の象徴は、珍しい円筒形をしたラウンドチャーチと呼ばれるキラロウ教会。1769年に建立され、悪魔が潜むことがないようにと影を落とす角がない。丘の上にあり、そこから海岸の突堤へ、海へと一直線に下る坂道が村のメインストリートだ。
風向きによって、麦芽をスモークさせる燻風や発酵による甘い香りがメインストリートをそよぐ。蒸溜所が突堤のすぐ近くの海辺に位置しているからだ。
白い教会と白い蒸溜所。小さな村にとって、どちらも誇りである。夏、蒸溜所がメンテナンス期間に入ると、ウイスキー職人たちが総出で教会と蒸溜所の外壁を白いペンキで塗り直す。
白いふたつの誇りと青い海。そのコントラストの上を白い鴎たちが悠々と飛び交う。貯蔵庫に潮風が薫るのどかな時間が積み重なっていく。
海のシングルモルトの大いなる遺産
ボウモア蒸溜所には古くから守り伝承されつづけている、スコッチのモルト蒸溜所のなかでも別格として謳われる、誇り高い3つの遺産がある。
- アイラ島最古の蒸溜所であり、スコッチでも一、二とされる古い歴史
- いまだにフロアモルティングをおこない、麦芽乾燥にピートを焚く伝統的製法
- 海抜0メートルにある、スコッチ最古の貯蔵庫No.1 Vaults
さらにはスコットランド全土のほとんどのモルト蒸溜所が製麦会社に麦芽製造を委託しているのに対して、21世紀のいまもキルンと呼ばれる麦芽乾燥塔から煙がたなびく稀少なモルト蒸溜所だ。現在、メジャーなモルト蒸溜所の中でも6蒸溜所くらいしかないようだ。
麦芽は70%を麦芽製造会社に委託し、30%は自らが製造する。つまり、いまだにフロアモルティングをおこない、麦芽乾燥にピートを焚いているのだ。
海抜0メートル、第一貯蔵庫の特殊な貯蔵環境
「ボウモア」はゲール語。「大きな岩礁」のことを言う。訪ねたならば驚くことだろう。No.1 Vaultsはダイレクトに海に面しており、波打ち際の岩盤を削り取り整地した上に建造されたものだとわかる。庫内の床は海面下に位置し、半地下のようなつくりともいえよう。天候次第では波しぶきが外壁を洗い、嵐となれば荒波が容赦なく外壁を打つ。
No.1 Vaultsはそんな極めて稀な立地にあり、原酒樽熟成に理想的な環境をおよそ240年にわたり保ちつづけている。深い熟成のために最適な湿潤さのなか、ほのかに漂う潮の香が熟成中の原酒と対話しながら香味要素の役割を担う。
アイラ島最古の伝統とともに他と比べようもない立地。まさに海のシングルモルト。
スコットランド西岸沖のアイラ島にボウモア蒸溜所はある。1779年創業というスコッチのモルト蒸溜所のなかでも古い歴史を誇り、ほとんどの蒸溜所が自前での工程を手放したピート採掘や大麦のフロアモルティングなどの伝統製法を職人たちが頑に継承している。それはスコッチのモルトウイスキーづくりの大いなる遺産だ。
ボウモアモルトは、いつも海に抱かれている。ピートも製麦工程も潮風の影響を受け、しかも第1貯蔵庫はダイレクトに海に面し、海抜0メートルに位置する。凪いだ日も嵐の日も、海という自然環境と対話しながらモルトウイスキーは熟成していく。まさに海のシングルモルト。
歴史を積み重ねた本格感、そして潮の香と甘美な気品を抱いた他のシングルモルトにはない孤高ともいえるこの香味特性は、こうしたボウモア蒸溜所の特異な立地と伝統が育んだものだ。
さあ、海のシングルモルト「ボウモア」がスコッチ業界に誇る大いなる遺産とクラフトマンシップをたっぷりとご堪能いただきたい。